生地の端
camera:Leica x1
服作りというのは布を使った立体物を制作するアートである。
名言風に書きましたがw服作りを完結に説明しただけです。アートかどうかは置いといて、布を使った立体物を作るという事を今日は説明します。
布を使うという事は結局”端”の処理との闘いです。布というのは糸を縦と横で編んだ物です。これを裁断すると、ハサミを入れた箇所から編んだ糸がほつれてきます。なのでそれを止める意味と切りっぱなしだと見た目も綺麗じゃないので整える意味とあります。つまり服作りにおいて端の処理を無視した物はありえない訳です。
【ロックミシン仕上げ】
ロックミシンというミシンがあります。ミシンの説明は省略しますが、裁断部分にロックミシンをかけると複数の糸で保護してくれます。こうするとほつれない。デメリットは強度が低いのと、裏の表情がチープになる。メリットとしては表に縫い目が出ないので仕上がりが綺麗。
【本縫い仕上げ(折伏せ縫い)】
縫い合わせるパーツの縫い代の量を双方調整し両方の生地端を折伏せた状態で更に縫い込む。一つの縫製箇所に縫って折って伏せて縫うという工程になるので断然手間がかかる。表から見ると折伏せで仕上げた箇所は縫い合わせの横にステッチが入ります。強度が高く裏の仕上がりも綺麗です。
こうして比べると、ロックミシン仕上げは楽で本縫い仕上げは手間がかかるという風に思うかも知れません。実際に手間とか楽とかという事だけで言えばそうなのかも知れませんが、その服にとってどちらの仕上がりが適切かで判断し仕様を決めます。例えばレディース服において表にあんまりステッチを見せると美しくないと僕は思う。その場合はロックミシンで仕上げるのが適切だと思うし、メンズ服における強度を考えると本縫い仕上げが適切だと思う。デザインの持つ意図で仕様は考えるべきなのです。
勿論大手メーカーの量産品となると利益を出すための大幅なコスト削減という意味で仕様をいかに簡単にするかという課題があると思います。お求め易い価格で提供するというのは裏で大変な企業努力がなされています。コストを下げる意味での仕様考察はメーカーにとって大きな課題だと思うので出来るだけ手間をかけずに着当たりの製造コストを下げる仕様ではロックミシン仕上げになるという事も良くある。
しかし僕らの様な量産ではない場合、楽する為に工程を減らすような事はしません。僕は優れた技術者ではありませんが、自覚している分縫製工程や仕様にはしっかり拘って丁寧に作ります。故に安売りは出来ないという事ですね。
今回は生地の端の処理として代表的な二つの仕様を説明しました。
次回はメンズ服とレディース服について書こうかと思います